人気ブログランキング | 話題のタグを見る

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)

前回のあらすじ

ゴブエッツェル博士は言った。
「あれがチャンミールだ!!」と・・・。
それを聞いた7代目ミッシェル伯爵の孫息子であるモンモモン・ヤンモンが
その右手を握りこぶしにしていたのを
生き別れの従兄弟のマングリエールポンティーヌは見逃さなかった!!
そしてまさかこの事件から後世末代まで語り継がれた
パリザィムチェッビールチュンチュン戦争>が起ころうとは
まだヤンモンは考えもしなかったのだ・・・!




さいしょからはじめる



馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_23542611.jpg


そんなわけで。

いよいよタナトス13階に足を踏み入れた勇者ヤンモン御一行様である。
いくらタナトス13階に来たからといって、修学旅行で記念撮影やらなんやらではしゃいでる高校生のような非生産的な暇は
僕達にはテレビの画面についている埃の大きさくらい微塵もなかった・・・。でも、あれって拭くと結構汚いよね!

と、そんな3チャンネルでやっていそうなアメリカのホームコメディのようなジョークを交わしつつ
タナトス13階にてすべきクエストをこなさなければいけない。そうしないとボスが出てこないのだ。
さて、ではどのような手順を踏めばMVPボス・タナトスの思念体が出てくるか。
これからHなお姉さんふうに説明していきたいと思う。















あは~ん。

聞いてぇ、ゴミクズのような卑しい豚のような男たちぃ~。

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_23565156.jpg

タナトスの13階ってねぇ、5つの部屋に分かれてるのよねぇ。
この部屋を左下、右下、右上、左上って4つの部屋を順番にまわっていってねぇ~ん。
それぞれ、タナトスの憎悪、苦悩、悲しみ、絶望ってみたいにぃ、封印を解いていかなきゃいけないのよ、ぼ・う・や・た・ち。

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_043172.jpg

それで、封印を解くと一体ずつ、そのタナトスシリーズのモンスターが現れて
その豚どもを倒すと封印が解けるわぁん。4つの封印を解いたら合格よ。

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_08655.jpg

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_065468.jpg

4つの封印を解いても気を許しちゃダ・メ・よ!
女の子はとってもデリケートにできてるの!雪見大福でキャッチボールし合うように慎重に取り扱わなきゃ駄目よ。
4つの封印を解いて真ん中の上の部屋に行くと、今までのタナトスシリーズの豚どもが一斉に襲い掛かってくるわ!

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_0115657.jpg

でも、いくら強敵が大勢で襲い掛かってくるからって負けちゃ駄目!!
女の子のハートの守りの堅さは核シェルター並みなの!!そんな核シェルターのような強いハートで頑張ってくれたら
おねえさん、う・れ・し・い!!
そしてこのピンチを切り抜ければ、いよいよタナトスのボスとの対決だわ・・・
タナトスは確かに強いわ・・・でも、おねえさんの教えを守ればきっと勝てるはず!!
約束して・・・!タナトスに勝つって!勝ってみせるって!!約束してよ!!!!!豚野郎!!


ありがとう、Hなおねえさん!!
と、Hなおねえさんと地下3500Mの地盤のような固い約束を果たし、おねえさんと別れた僕らは
いよいよタナトスとの決戦を間近に控えることになった。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_0192359.jpg

嫌がおうにも緊張感の高まるメンバー。手に汗にぎり、キーボードによだれがかかりそうである。
作戦といえる作戦は全く決まってない。
ウチのPTには阿修羅を撃てるチャンプも、ADSを投げれるクリエイターも、アイスウォールで壁を張れるハイウィズもいない。
シンプルに戦うことしかできないのだ・・・!それはある種、地力を試されるような感覚である。

ゆっくりと、慎重に下の広間に進んでいく。




















馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_023162.jpg



kkkk、き、北アアアアアアアアアアアアアアあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

前後左右、360度から見てもまごうことなきタナトスの思念体である。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_042651.jpg

タナトスの思念体・・・。

LV は99という発光が眩しいお年頃で HPは 445,660

種族は悪魔で、大型。属性は念4であるが、HPが減ると聖属性になる。
ATK 3,812 - 7,483    ASPD 140
DEF 35 + 122     MDEF 35 + 147     LUK 32
要HIT 227     要FLEE 321

使用スキルは、ラッシュアタック (Lv 1)サモンスレイブ (Lv 1)ハンマーフォール (Lv 5)ロードオブヴァーミリオン (Lv 10)ストームガスト (Lv 10)メテオストーム (Lv 10)ソウルストライク (Lv 10)ツーハンドクイッケン (Lv 10)プロボック (Lv 10)バッシュ (Lv 10)
と、世にも凶悪なスキルを使いこなす。


まさにタナトスタワーのボス。モンモンクエストのラスボスである。
その圧倒的な攻撃力と凶悪なスキル攻撃、そして大魔法で冒険者を地に沈める存在である。
しかし、本当にこのボスが最悪と呼ばれる理由はは取り巻きにあるかもしれない。
ATKが高くボス属性を持つ各フロアのボス的存在でもあったタナトスシリーズが一丸となって襲ってくる。
その中でも脅威となるのがやはり高VIT・高ATK・遠距離攻撃をバンバンしてくるパンダであろう。
まさに、タナトスの思念体は最強にして最悪の強さを誇るMVPボスである・・・!!




馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_0542558.jpg

見よ!!この絶対的なチカラをッ!!!
コンロンダンジョン1階でソロしているようなクラゲパラディンのPTなぞ
アースゴキジェットでいなす百戦錬磨の専業主婦とゴキブリまでのLvの差である。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_0571523.jpg

圧倒的にして怒涛の攻撃に、ナオ、ゆずさん、そして、勇者モンモンんまでもが倒されてしまった。
ここのMAPでは、他のフロアと違いテレポやハエの羽も使える。難を逃れたか、他の3人は逃げのびれたようだ。

しかし、前衛であるロードナイトとパラディンは倒され残るは、一番脆いポジションである後衛の2人と支援だ。
僕らの死体の上を怒り狂ったタナトスが咆哮をあげている・・・。どう足掻いてもどうにかできる状況ではない。
諦めという沈黙がPTによぎるなか・・・1人のアサシンクロスが動いた。

「俺が釣ってこよう」

普段、女性のお尻のことしか考えていないアサクロのアルダンが動いたのだ。
しかし、取り巻きを含めた全ての敵がボス属性でクローキングで姿を消しつつ釣る、
といったアサ特有の釣りかたが可能な相手ではない。
ましてや、遠距離攻撃をバンバンうってくるパンダもいるのだ。・・・無理だ!!そう叫ぼうとする間にアルダンは動いていた・・・!
















馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_111271.jpg
ドキドキ。










馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_172363.jpg


あああああああああああああああああああ
















馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_175879.jpg

アルダァァァァァァァァァァッッ!!!









さようなら・・・アルダ・・・。
今まで楽しかった・・・。きっとアルダは僕達の心の中で永遠に生きていくんだね・・・アルダ・・・安らかに眠れ・・・。























モンモンクエスト・完

























馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_2194665.jpg


とまぁ、なぜかギリギリで生き残っていたアルダに舌打ちしつつも態勢を立て直すことに成功したヤンモン一行。
しかし、完膚なきまでに叩きのめされたメンバー一同は既に戦闘意欲を失っていた。
俺たちではまだ勝てない・・・そんな、諦めムードが色濃く漂うなか、1人の男の目はまだ死んでいなかった・・・!!

勇者モンモンは僕達を奮い立たせた・・・!!

「こんなところで諦めていいのかよ!!折角ここまで来たのに・・・
 俺たちはここまで来るために様々な苦難を乗り越えてきたじゃないか・・・!
 確かに1人きりの力だったら無理かもしれない・・・でも、みんながチカラを合わせれば・・・
 越えられない壁はないさ!!!やってやろうぜ!!世界を救うんだ!!!」




勇者ヤンモンの言葉にみんなは涙した。
確かにいつものヤンモンは、いやに自信過剰だし、人の嫌がることは喜んでするし、発言が変態的だし、
子供だし、妄想家だし、世間知らずだし、女子に嫌われてるし、男子にも嫌われてるし、本当にどうしようもない奴だったけど
そんな・・・そんな駄目なヤンモンが立ち上がったのだ・・・!!

みんなはヤンモンを取り囲み胴上げをした・・・。泣きながら胴上げした。

そして、懇親の拍手を浴びせ続けた・・・・それは会場全体に広がる波のような拍手だったという・・・
そしてその日の武道館いっぱいに広がった拍手はいつまでも鳴り止まなかったという・・・
























モンモンクエスト・完


























馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_2205177.jpg


とまぁ何度も挑み続けたが、いかんせんこのボスはかなり高い頻度でテレポを使う。
率直に言えば、タナトスの弱点はHPの低さにある。
HP400kは、そこらのMVPボスより低いくらいである。しかし、交戦中すぐにテレポで飛ばれるため
どうしても持久戦になってしまう。プロフェッサーのランドプロテクターなどがあれば安心なのだが
いかんせんプロフェッサーがいない。無いものねだりはしていても仕方が無い。
何度も無謀に突っ込んでいくしかないのだ・・・。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_2184035.jpg

当然、次第に回復財は切れていく。
ウチらのPTの戦い方としては、ヤンモンがまず初めにターゲットを取り、取り巻き全てのターゲットを抱える。
そして、僕がタナトス本体のタゲを奪いすかさず後衛の二人が攻撃を仕掛ける・・・といった感じである。

馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_1425742.jpg

ここで大事なのは、勿論ヤンモンの壁無しでは話にならないということ。
ヤンモンが死ねば、取り巻きのタゲは流れその圧倒的な攻撃の前に後衛陣は勿論のこと
前衛ではあるがAGI型のロードナイトにも到底耐えれるモノではない。
ヤンモンが死ねばPT崩壊
とてもシンプルな問題だ。タナトスにテレポされ持久戦になればなるほどヤンモンの回復財は消えていく・・・。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_1461758.jpg

仲間の回復財をヤンモンに集める。ここではヤンモンの壁が頼りなのだ。
みなヤンモンを信頼し、回復財を渡していく。
馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_148882.jpg

なんとドラマティックな展開なのであろうか。月9並みの感動スペクタクルである。
<おかんと東京タワーとヤンモン>である。

そんな速水もこみちをも食う勢いの勇者ヤンモンの戦いが今・・・
始まろうとしていた・・・!!!








馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_2224783.jpg












































モンモンクエスト・完
























ご愛読ありがとうございました!
ナオト先生の次回作にご期待ください!!







































馬鹿と勇者は紙一重 (後編)_f0120403_2173032.jpg

by naoto-mujyaki | 2007-03-07 23:35 | 狩り日記
<< 新しい波よ 馬鹿と勇者は紙一重 (中編) >>